繁殖ボランティアさんから付けてもらったエレナという名前の由来は、「エレーナのインコ」という絵本から。
心が優しく、困難を自分の力でのりこえて行く主人公エレーナのように育ってほしい、という願いが込められています。

2013年1月18日金曜日

訓練犬エレナ

エレナ、入学から1ヶ月と16日。
協会の担当訓練士さんから近況報告と写真が届きました。
つぶらな瞳が相変わらず可愛いエレナです。目は生後50日と同じ・・・。今もまだ表情が幼いですね。

『・・・エレナは色々なものに好奇心旺盛で、入所当初は、犬や猫、落ちているオモチャに飛びついていましたが、現在は周りがどんな状況でも私に集中できるようになりつつあります。・・・元気にがんばっていますので、今後の成長を暖かく見守っていて下さい。』

犬舎から出してもらって、エレナがはしゃいでいる姿が想像できます。共同生活にも慣れて、持ち前の明るい性格が出ているのでしょう。訓練がすすむにつれ、ONとOFFの切り替えが出来るようになるといいな、と思います。

兄弟犬の男の子は、一段と大きく、凛々しくなっている気がします。みんなスタイルが良くてかっこいい!

突然の猫の写真。幼いエレナも同じポーズの写真がありました(*^_^*)。
エレナを送り出して寂しく過ごしていた我が家にニューフェイスがやってきました。『がじゅまる』君です。よろしくお願いします。

ペットの犬を飼うと、パピーウォーカーを続けることは出来ないし、猫がいてくれたら・・・と思っていたところ、今年のお正月に私達の前に現れ、ウチの子になりました。
ガリガリ痩せっぽち猫は、いまはお腹だけまん丸に変わりました。ノラ猫だったのに、人なつこく、子供が大好きで、爪は決して出しません。最近ようやく、じゃれて遊ぶようになったので、まだまだ猫を被ってるのかもしれませんね(猫だけにね(^^))。
昼間は一匹で寝ているのに、子供が家にいる時間は一緒に遊んでいます。息子達の勝負を見守るのも、エレナから選手交代。ちゃんと努めてますよ。
私がかつて拾った猫はみな偶然にトラ猫ちゃん。次は、白いソックスはいた猫ちゃんに出会いたいな。

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朝、薄暗いこともあって布団から出ようとしない息子を起こしていると、
「エレナがいたら、尻尾がバンバンぶつかる音がするんだけどなぁ〜」って。
しゃべらずとも、みんなが起きてくるのを体いっぱいで表現して、喜んで待っててくれたもんね。

エレナを送り出したあと、寂しく過ごしています。
専業主婦は、朝子供を送り出して、夕方帰宅するまで一言もしゃべらない日もあります。
そこに犬がいたら、返事はなくとも話しかけるし、いつも私を見つめてる黒い目があり、買い物から帰ってきても、待ってる存在がいるってあたたかいです。

「別れが辛いからPWは嫌だ」と考える愛犬家もいらっしゃると思います。
でも、15歳の愛犬を送りだした時の気持ちとは、まるで違います。ジュリもエレナも私の目の前にはいないけれど、バトンを渡した後も思い続けています。死別の悲しみではありません。
愛犬を自分の所有物にしたい方には向いてない役割でしょう。

でも、愛犬家こそ、犬をはじめとするペットと暮らすありがたみを知っているのではないでしょうか。
視力を失った人が、ペットを飼うこともままならなくても、盲導犬として訓練を受けた犬なら一緒に暮らすことができ、その人の支えになるのなら、十分に存在意義があると思います。
目の不自由な人に犬の世話なんて出来ない、と決めつけずに、周囲が見守って自立できるのが最良だと思います。

パピーを送り出すたびに辛い思いが残り、ぷち鬱状態になってしまいます。自分からは言い出せずにいると、夫から「犬が欲しいんやろ?申し込んだら?」って言ってもらえて免罪符をもらったような気になりました。

子供の頃は猫を拾ってきても、飼うかどうかの判断を下すのは親でした。いまは犬を飼うも、猫を拾うも、大人の私が決めることになるので責任重大です。

エレナを送りだしてすぐに、初めて育てたパピー、ジュリが盲導犬になったという知らせが舞い込み、ユーザーさんと話すこともできました。パピーウォーカーという役割を実感したのも、この時でした。
ジュリがパートナーを得た喜びと、貢献できた喜びとともに、なんだかジュリが私から完全に離れたようで寂しい気もしました。それは、エレナを手放した後の悲しみと相乗効果だったのかもしれません。

昨日、散歩でよくお会いしていた愛犬家の方にばったり会いました。いまは犬は居ないのか聞かれたので、私は、次のパピーウォーカーをするか悩んでいると話しました。
その方は「私は、自分が育てた犬が使役犬として働かされるのはたまらん。でも、あなたみたいな人がおらんと盲導犬はできんもんね。」とおっしゃいました。

いまは、やっぱり、犬がいる生活っていいな、と前向きに考えています。

2012年12月7日金曜日

ボランティア満足度

 これは、修了式に向かう車の中です。いつも外出の時は起きて外を眺め、帰りは寝ていましたが、この日は朝からはしゃいでいたので、お疲れの様子です。

PWを一段落した私は、ネットで他のボランティアさんのブログを見て癒されてます。先日は「ラブラドール ぬいぐるみ」と検索にかけ、思わず購入ボタンを押しそうになり、いや、いかんいかん(>_<)と踏みとどまりました。アブナイアブナイ。
 PW仲間と「訓練犬からメールが来たらいいのにね」と話したことがあります。
『今日は寒いわんね。みんな元気?私は、こちらの生活にも慣れてきたわんよ。床が固いからクッション送ってくれる?よろしくわんU^ェ^U』 なんてね。

以前、あるPWさんから
「私が育てた子が、ジュリと同室で三匹で入ってるんだって」と聞き、私が想像するジュリが、個室で丸くなっている姿から、三匹で寄り添っていたり、お互いを枕にしている姿に変わり、心がほっこりとなりました。
訓練中に限らず、盲導犬にデビューした後でも、CC犬になった後でも、その子の話しや様子を聞けると、元気な姿が想像出来るし、活躍していることが分かってパピーウォーカーをして良かったと思えるんじゃないかな。

多少の犠牲を払ってパピーウォーカーを引き受けて、心引き裂かれるような辛い別れをし、「幸せだと信じているわ」だけでは、私は身が持たない気がします。

かといって、協会に電話をして
「ウチの子、元気?食べてる?何してる?鳴いてない?ちゃんと世話してる?」なんて言ってたら、モンスターパピーウォーカー(モンパピ?)って言われちゃいそう。

どうしたら楽しくボランティアが出来るのかな?と考えてみて、ジュリの噂を聞いて私が嬉しかったように、ボランティア同士が交流することによって、犬たちの元気な様子や頑張ってる話しを聞けると、遠くからでも気持ちよく応援できるんじゃないかと思いました。

繁殖犬や引退犬ボランティアは出来ないけれど、1年ごとのPWなら出来るわ、という家庭も、犬が過ごす先の様子が見えていれば、バトンタッチもスムーズに「はい、お願いしますね」と笑顔になれるかも。

例えば一度だけPWをしたきりの人でも、その犬は十年以上生きています。協会と関わりがなくなったら、犬の消息も聞けない、では辛いでしょう。犬を預かっていなくても、情報は共有できるなら、いつまでも盲導犬応援団でいられるし、状況が変わってPWできるようになったら復帰がスムーズかも。

CC犬を引き取った方も、躾けに困る場合もあるでしょうし、犬のトモダチが欲しい方もあるかもしれません。候補犬同士は、不思議とケンカしません。今まで、相性の悪い候補犬に会ったことがないから、きっと仲良くできると思います。

そんなこんなを考えていて、モンパピにならずに、PWの辛い別れの記憶を引きずらずに、笑顔でボランティアできる、そんな盲導犬協会を夢見ています。

全国の盲導犬協会では規定がそれぞれ異なり、九州の場合は、餌や病院にかかる費用はほとんどがボランティア持ちです。それでも、ユーザーのため、犬のため、とボランティアを引き受ける方がいなくならないのは、本当に頭が下がります。

「顧客満足度第1位」を目指す企業があるように、「ボランティア満足度第1位」を目指しては!?


←なかなか片付けられない犬グッズ・・・

2012年12月3日月曜日

修了式を終えて

 昨日、エレナが協会に入学しました。
同級生はエレナを含めて16匹でした。
兄弟犬3匹とは元気に再会でき、みんな頼もしく成長していました。

2度目の別れは、一度目よりも上手に対処できました。
ジュリの時は、午前中にボーイスカウトの活動が入っていたので、朝からバタバタして出発し、そのまま修了式に突入。
ヘトヘトになって帰宅したら、あらら、ジュリが家にいない!どこにも、いなーーーい!
ってなことになって、心も顔もぐちゃぐちゃになってしまいました。

今回は、幸い午前中に予定もなかったので、少しでも長く家にいることにしました。
とはいえ、じっとしていることも出来なくて、ウサギ小屋の解体&引っ越しを始めてしまいました。
もちろん、エレナも大喜びではしゃぎまわり、その間にサンダルを2つ破壊して、最後の置き土産にしてくれました。

人間は昼飯抜きで午後からの修了式に臨み、修了式が終わったら速攻、私が大好きなカフェに直行。
そこで、お腹も心もほっこり満足して帰宅したのでした。
 それに、何よりも
今回は、知っているパピーウォーカーさんが増えて、修了式で楽しくおしゃべりしたり、寂しい気持ちを共有できたことが、私がひどいパピーロスにならなかった大きな要因だと思います。
知ってるパピーもたくさん増えて、エレナがあの子達と一緒にいるんだと思うと、寂しさも半減します。
昨年は、ほかのPWを誰も知らない中、最愛のジュリと別れ、泣くしか出来ませんでした。





1匹目のジュリは、私たち家族にピッタリでこれ以上の犬はいない!と感じたし、次に預かるとしたら、絶対にジュリの兄弟がいい!とも思っていました。

でも、全然違うエレナと出会い、今回は縁があって、他のパピーウォーカーさんと知り合うことも出来、いろんなパピーと会うことができました。

どの子も可愛くて、どの子も愛おしい。


 繁殖ボランティアさんは、自分が取り上げた犬は格別の思い入れがあると思いますが、PWは幼稚園の先生みたいなもので、どの子も同じように可愛く思えるのだと学びました。

どの子も私物でなくて協会の犬だから、PWにとっては、どの子も可愛いのです。自分が預かった犬でなくても、どの子も幸せになって欲しいと強く願います。
私はペットでない、盲導犬候補犬を預かったことで、よりたくさんの人にこの子の犬生を知ってもらいたくてブログを書いてきました。

結果、多くの方と知り合うことが出来て、私の人生はとても豊かになりました。
そして、九州のボランティアの方とも連絡がとれて、悩みや楽しみを共有して、PWの醍醐味が二倍にも三倍にも膨れました。
犬の飼育で困った時に、訓練士さんから教科書通りの正しい方法を教授されても、歳を重ねた私には、「わかっちゃいるけど」だったり、「そう言われても」だったりすることも。
ボランティアさんと犬達の話しをするだけで、悩みが悩みでなくなったこともありました。

本当に楽しい1年間でした。

ペットではないから、多少の制約はあるけれど、出来るだけ楽しみながら続けたい。
そんな思いがありました。


PW記念の土鈴。
一年前とデザインが変わり、何よりも嬉しいのは、黒ラブちゃんは、黒くなったこと!今までは、みなイエローだったので、黒マジックで塗ろうかと皆さんおっしゃってました・・・。
ジュリ土鈴より足が長くて、顔が小さく、まるでエレナ!?(*^_^*)。

ちなみに、ジュリ土鈴の顔が崩れているのは、エレナにやられたからです。お尻は穴が開いています。
エレナ土鈴を壊すパピーが我が家に来る日はあるのか、ないのか・・・。

2012年12月1日土曜日

おわかれさびしい by末っ子


エレナが協会に帰ったら、まずはカラオケ大会だね。

最後のサッカー

師走に入り、日本全国冷え込んでいるそうです。
九州地方も寒〜い。
とはいえ、日が当たればぽかぽか。


公園の桜も、もう蕾をぎっしりつけてる!
自然から元気をもらいます。

エレナとの最後の日。どう過ごそうかと考え、結局、普段通りにしました。
まずは、近所の公園でサッカー。

各選手、スローインされるボールを見つめます。
 エレナ選手、いち早くボールに追いつきました!
エレナ選手、ボールを死守しています!
 残念!

エレナ選手、マウスで反則を取られてしまいました。
エレナ選手、退場させられます。


キーバーとして復活!
1点たりとてゴールを許さず、守りきりました\(^O^)/。

この後、エレナと息子達と買い物へ。
豆腐屋、八百屋、肉屋、コンビニ・・・とあちこちで通りすがりの方に可愛いと言われたり、PWですと自己紹介したりしながら歩きました。
エレナ、この道を覚えておいてね。

2012年11月29日木曜日

正しくない犬の図

<人を散歩させる犬の図>

正しく犬を飼うというのは、犬にしつけをするのではなくて、人が犬の飼い方を学ぶことだと気付きました。
先日、SAで会った訓練士さんもおっしゃってましたが、「犬を訓練するんじゃなくて、人を訓練するんです」って。

飼い方を本で学んでも、実地訓練されても、一朝一夕に身につく技術ではないらしく、どんな勉強よりも難しかったりします。
 <助手席でうたた寝する犬の図>

協会の訓練士さんが犬のリードを持っていると、犬達は尻尾をふりふりツイテ歩いています。
私がにこやかにエレナに話しかけても、エレナは外界の臭いや人の動きに夢中です。無理矢理、リードに力を入れたり、厳しい口調で命令すれば言うことを聞きますが、犬が自ら喜んで従っているのではないことが分かります。
 ペットの犬を外で飼っていた頃は、お座り、お手、待て、ジャンプなど、芸が出来れば満足で、「ウチの子は良い子だわ」って思っていました。
海や山登りには連れて行っても、イマドキのドッグカフェなんてなかったし、犬は人の言うことを聞けばいいと思っていました。

候補犬を預かって、PW修行をしてみると、外飼いの時とは違うことが分かりました。
部屋の中では、犬は私の一挙一動を見逃すまいとじっと見ているし、一歳を過ぎると、私の気持ちを読み取って行動します。
ちゃんと訓練された人ならば、外に出ても、犬を自分に集中させて歩けるのでしょう。

犬たちは、訓練士さんがリードを持つと、群れのリーダーを見つけたように嬉しいのでしょうか。
尻尾ふりふり、目がハート。

犬のリーダーになる。
ユーザーになるというのは、かなり努力が必要なのだろうと想像します。

2012年11月26日月曜日

検診

今日は、修了式前のエレナの検診をしました。
獣医さんには1時間程度で終わります、と言われましたが、すでに予定を入れていたので、昼休みをはさんで午後一番に迎えに行きました。

そして、エレナが留守の間にクリスマスの準備をしました。
ちょっと気が早いけど、クリスマスにはエレナはいないから。クリスマスツリーと一緒に2年続けて写真を撮れる、ラッキーなパピーウォーカーはなかなかいないと思う。
そして、これが昨年のエレナ。
タンタンの冒険に出てくる、スノーウィに似てると、はしゃいでた頃ですね(*^_^*)。
は〜、めんこい、めんこい♪

さっきから、こそ〜っと一匹でツリーの所へ行き、飾りを2個ずつせっせと摘んできます。
壊さずにそっと咥えてくるあたり、さすがのソフトマウス!ラブラドールの特徴だそうです。
感心してる場合じゃない!
検診結果は・・・
獣医さんからは、『申し分なく健康です!』と太鼓判を押してもらいました。
よかったね〜。

迎えに行って順番を待っている間、キャンキャンとエレナの声がずっと響いていました(^_^;)。
診察室に呼ばれて、「ずっと鳴いてましたか?すみません」と言うと、
「いえいえ、とってもお利口さんでした。心電図をとる時も大人しくて、さすがでしたよ。お迎えに来た時から鳴き始めました。なぜか、分かる子がいるんですよね〜。」
と褒められて、鼻の穴が膨らみました(*^^)v

部屋の奥にいるのに、私が病院に入った途端に分かるなんて!エレナったら!ムフフフフ(*^_^*)。